スギ花粉症減感作療法

 花粉症減感作療法は歴史が長く確実に症状を改善できます。花粉症が重症で薬を飲んでも改善しない方や、副作用などで薬を飲みたくない方に、少量の皮下注射を続けることで症状を改善することができます。非常に細い針で皮下に少量を注射するので、痛みはほとんどありません。花粉飛散が終り薬を飲まなくなって1週間以上経過した後の、6月から10月頃までに始めると次の飛散時期の症状が改善し、その後も続けると60〜70%の人が完治すると言われています。最初は週1回程の通院が良いですがそれ以上間隔を開けても効果があります。
   この治療は、体の中にIgG抗体という花粉に対抗する免疫物質を作ることで、花粉を感じにくい体質にして症状を軽くします。花粉症の症状が強くて睡眠障害があるなど、日常生活や仕事に支障をきたしている方に最も適しています。15回程注射すると効果が自覚される例が多く、医師が計画的に慎重に治療すれば副作用はほとんどなく、治療が完了すれば10年経過した後も効果が持続していることが確認されています。注射は必ずしも週1回の必要は無く、都合により2週間以上間隔を空けても続けていれば効果が期待できます。この治療は医療保険が使え、費用は初診時を除いては、3割負担の方で一回500円以下です(2020 年2月時点、医療機関によって異なる場合があります)。初診時も問診からスギ花粉症であることが分かれば、高価な血液検査はせずにその日から皮内テストを兼ねた治療を始めますので、費用は初診料と再診料の差が増えるのみとなります。減感作療法について知って頂くために実際の治療例を紹介します。(下記のリンクページ)
   
[舌下減感作との比較]
 従来の減感作には次の様な利点があります。
1.注射による減感作は歴史が長く、治療法が確立しているため確実に改善し安全性が高い。
2.改善するまでにかかる費用が少ない。
3.治療中に自分が今どれくらい花粉に強くなっているか分かります。
4.次期に開始する時の注射(薬剤)量を計算できるので、通院回数を最小限にできます。
5.治療中の注射量(抗原量)表があるので、それを持って行けば全国どこの医療機関へ行っても治療を継続できます。

[現在、減感作療法中の場合]
 スギ花粉の飛散量が少ない2月まで減感作の皮下注射を行います。花粉が多く症状が出た場合は、内服薬を少量から開始します。
 花粉の飛散が終わって症状も無く薬も飲まなくなり、2週間以上してから次期の注射を開始します。以後は、1〜数ヶ月に1度程度の注射を行い、次の飛 散時期まで免疫力を維持します。

      

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