スギ花粉症減感作療法の治療症例

(患者さん本人の承諾を得られたもののみ掲載しています。)

<症例 >鼻炎症状が強く仕事に支障をきたしたが、改善した例
   48才、男性
 症状:病院から処方された薬を飲んでも、くしゃみ、鼻水で車の運転や、空調管理の仕事に支障をきたしていた。睡眠中も鼻水や、鼻閉があった。
 治療経過:血液検査でスギ花粉が高度陽性でヒノキ花粉も陽性のため、2007年5月より治療を開始した。1〜2週間に1回の注射を2008年3月1日まで続けたところ、3月12日より鼻水と目のかゆみが出たが、鼻閉は無く、通常の薬を半錠飲めば症状は改善した。5月からは月に1〜2回の注射を続けたところ、2009年3月は花粉飛散が非常に多い時に薬を飲むだけで過ごせた。以後も年に数回の注射を続けたところ2012年春は全く薬を飲まずに済んだ。

<症例>花粉症が重症で治療に期間を要したが、改善がみられた例。
   54才、男性
 症状:花粉飛散時期は薬を充分飲んでも、涙や鼻水で夜間2時間毎に覚醒していた。
 治療経過:2001年10月より、ごく低濃度のアレルゲン液の皮下注射を開始したが、軽いめまいの様な症状が出て規定どおりになかなかアレルゲン注射が増量できなかった。ごく少量づつ増量を続けたところ、2004年の春には夜間覚醒することが少なくなった。以後も治療を続けたところ、標準的なアレルゲンの量まで増量できた。花粉が多い時は服薬を要したが、夜間覚醒することはなくなった。   

<症例>短期間で効果が得られたが、多量飛散時には服薬を要した例。
  39才、女性
 症状:花粉飛散時期は、鼻閉による睡眠障害を伴った。
 治療経過:2002年9月より治療を開始、週1回の皮下注射で規定どおりにアレルゲンを増量でき、2003年春は時々薬を飲む程度で済んだ。1〜3ヶ月に1回アレルゲン注射を続け、2004年春は薬は飲まずに症状は出なかった。次期の多量花粉飛散が予測されたため、アレルゲン注射を数倍に増量し、2005年の多量飛散時には内服薬を併用して症状が抑えられた。

<症例>短期間で良好な効果が得られた例。
   69才、男性
 症状:スギ花粉飛散時期は、鼻閉のため睡眠障害を伴った。
 治療経過:2002年9月より治療を開始、週1回の皮下注射で順調にアレルゲンを増量できた。2003年3月にはアレルゲンを目標の濃度lまで増量でき、花粉飛散中は薬を飲まずに症状は出ず、睡眠障害も解消した。4月以後は月1回の注射を続け、2004年春も症状は出なかった。以後も月1回注射し、2005年も日常生活では症状なく、花粉多量飛散時にスキーに出かけた時、薬を飲む程度であった。

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